新潟県佐渡を拠点に世界的な公演活動を行なう「太鼓芸能集団 鼓童」が、人間にとって根源的な行為「たたく」をテーマに、1988年より佐渡の市町村(現在は佐渡市)と共に開催している国際芸術祭。
鼓童が国内外で出会った民族音楽・芸能のアーティストや文化人を佐渡に招き、豊かな自然の中で多様な文化を交錯させ新しい地球文化を創造しようとするもので、今年で27回目を迎えます。
これまでの取り組みが評価され、2008年には財団法人地域活性化センターが主催する「ふるさとイベント大賞」の大賞(総務大臣表彰)を受賞、2009年には米国ティファニー財団創設の「ティファニー財団賞・伝統文化大賞」を受賞しました。
アース・セレブレーション構想
河内敏夫「季刊鼓童1983年秋」より
「佐渡の自然を舞台に、世界の音楽・人間交流を通じて、地球共同体のきずなを強める試みをしたいと思います。そして、相互理解の中から新しい地球文化を築きあげ、人間が人間として生きられる世の中に、一歩でも近づけたいと思います。
夏の夜、潮騒に乗ってタムタムの音が遠くに聞こえ、満天の星の下、ガムランや神楽の音が流れていく、そんな情景を実現させたいですね。」
河内敏夫(かわうちとしお)
1950年東京生まれ。1971年「佐渡の國鬼太鼓座」旗揚げに参加、佐渡で共同生活を始める。舞台では主に三味線を担当。1981年「鼓童」を結成、初代代表となる。プロデューサー、演出家として舞台をまとめるだけでなく、鼓童の精神的支柱として、地域からの情報発信、地球時代の国際的な文化交流を目指した鼓童村構想や国際芸術祭「アース・セレブレーション」の計画に情熱を注いだ。1987年1月1日、旅行先のフィリピンで不慮の死を遂げる。「ハンチョウ」の愛称で慕われた。