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ECプレイベント「佐渡薪能公演」”THE KUMANO-2018″ によせて(津村禮次郎)

 

ECプレイベント「佐渡薪能公演」の津村禮次郎氏よりメッセージが届きました!

毎年恒例の薪能公演、EC前夜もどうぞお楽しみください。

 

「THE KUMANO-2018」によせて- 津村禮次郎

EC2017「佐渡薪能公演」より

 

2014年、世界遺産に登録された紀伊山地の信仰と巡礼の道は、現在では和歌山県、奈良県、三重県にわたるが、古代から一体となる大きな自然世界、文化宗教世界を構築してきた。

そこには日本人の文化、歴史、精神の根源をなすものがある。

熊野古道には神代の世界、古代から中世にわたり様々な神話、伝承、説話が伝えられている。いずれも現世と死の世界を往き来するものである。

 

EC2017「佐渡薪能公演」より

 

ダンス作品「THE KUMANO」は、熊野巡礼の道に迷った若者が「熊野に坐す神」なる者の導きで熊野の世界を見る様相がダンス、歌、舞で表現される。作品に使われるエピソードは「小栗判官と照手姫」の説話物語をテーマに、悪行の末に殺され、業病に侵された骸骨の身となって蘇えった小栗判官を支える照手姫の信仰と愛が、熊野権現観音の霊力で蘇生するというもの。

また、平安時代には熊野詣でが時の権力者達によって度々行われ、歌人「和泉式部」もその列に連なるが、熊野本宮を目前にして予期せぬ「月のもの・血の道」が始まり、この不浄の身では熊野権現に参ることが出来ぬと控えていたところ、その夜の夢に熊野権現が現れ「なんぞ月の障りとなるらん」と女人の身の差別は全くないと、懐の深い広い信仰の道を示したことである。

 

和泉式部の歌 「晴れやらぬ 身のうき雲のたなびきて 月の障りと なるぞ悲しき」

熊野権現の歌 「もろともに 塵に交わる神なれば 月の障りも なにか苦しき」

 

現代社会に於いても、男女均等社会が声高にいわれたり、格差社会、ヘイトスピーチなど差別の問題は解消することがない。

古代からの日本人の持つ精神世界に一つの安らぎを求めることは、今宵の薪能という芸能の場が持つ力であろうか。

 

EC2017「佐渡薪能公演」より

 

今回は、2018年バージョンとして改定された作品で、古典能、バレエ、現代舞踊の身体表現と、オペラ歌手の歌唱で和泉式部と熊野権現の和歌が歌われる。音楽は雅楽の笙、篳篥、和太鼓、イタリアの古楽器・ヴィオラダガンバの協奏で深淵かつ華やかな舞台となる。

どうぞご期待ください。

 

ECプレイベント「佐渡薪能公演」

古典能、狂言のほか、能とダンス、音楽のコラボレーションをお楽しみいただける創作ダンスなど、ここでしか体感できない公演です。

古典能と創作ダンスに重要無形文化財保持者(能楽総合)観世流能楽師の津村禮次郎氏、狂言作品に重要無形文化財総合指定保持者、和泉流 小笠原匡氏を迎え、一流の演者達による日本の伝統芸能をご覧いただけます。

毎年、大きな感動を与えてくれる創作ダンスでは、能とバレエを融合させ、音楽にはオペラ界の特級クラス(福井敬氏)による歌、笙、ビオラ、そして和太鼓…!

想像を遥かに超える素晴らしいステージになることでしょう。

 

 

日時:8月16日(木)19:00~21:00(予定)

開場:18:30 ※当日16:00より、会場にて入場整理券を配布します。

場所:佐渡相川春日神社能舞台(佐渡市相川下戸村)

料金:大人 3,000円、小中学生 1,500円 全席自由(桟敷席・イス席)

※チラシには当日券大人3300円、小中学生1700円とありますが、当日券も前売り券(大人:3,000円、小中学生 1,500円)の金額で販売します。当日券は会場にて16:00より販売します。

古典能 「橋弁慶」
津村禮次郎(能)ほか

狂言 「仏師」
小笠原匡、小笠原弘晃(狂言)ほか

創作ダンス 「THE KUMANO」
津村禮次郎(能)、酒井はな、小㞍健太、宝満直也 ほか

詳しくは、イベントページをチェック!

▶︎ECプレイベント「佐渡薪能公演」

▶︎パンフレットのダウンロードはこちら。

▶︎申込|佐渡薪能公演

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